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nothing to lose title

act.63

 俺は、とんでもない勘違いをしているのかもしれないぞ。
 さっきまで冷や汗が浮かんでいたドースンの額には、今脂汗がじっとりと浮かび上がっていた。
 小さな文字と写真に覆われたしわしわのページを捲る度に、その異常なほどの執着がドースンの指先にまで纏わりついてくるようだ。
 ドースンは、ポケットからコンパクトカメラを取り出すと、ロッカーの陰に隠れてフラッシュをたいた。フィルムの枚数は限られていたため、最初のページと最後のページ。そして後は、無作為に印象的なページを撮影した。
 早く、早くこれを現像しないと・・・。
 ドースンは、マローンのロッカーの中身を全て元通りに戻すと、清掃員の事務所を後にした。
 上の階にある現像室に急ぐ。
 休日のしかも深夜ときているから、新聞社の中も人影が少ない。
 ミラーズ社での爆弾事件からしばらく経っていたし、派手な事件もなりを潜めているので、真夜中の現像室はおそらく誰もいないだろう。うまくすれば、誰にも知られずにすぐさま写真が現像できる。
 編集部と隣り合わせにある現像室は、案の定使用中の赤いランプが点いていなかった。
 中に入ると、その奥にドアがもう一枚あり、その奥が暗室になっている。新聞誌面を華々しく飾る写真は、そこで紙に焼き付けられるのだ。だが、取材中のスナップ写真などは簡単に現像できるよう、そのドアの手前には自動の現像機が備え付けられていた。ドースンが世話になっているのは、むしろこちらの方である。
 ドースンは念のため暗室を覗き込み、人がいないことを確認した。暗室のドアを開けるなり、ツーンと鼻を突くすっぱい匂いがドースンの顔を攻撃してくる。つい先ほどまで誰かが使っていたのだろうか。濃厚で新鮮な匂いがした。
 ドースンは注意深く周囲を見回し、再度現像室の外に顔を巡らして余計な人影がいないか確認すると、現像室の内側から鍵をかけてカラーフィルムを自動現像機にセットした。
 夜中なので、やたら機械の動く音が大きく響いているように思え、ドキドキしてしまう。カタカタと動く機械の動きをこんなにじれったく感じたのは初めてのことだった。


 闇の中で聞えるのは、規則正しいマックスの寝息だけだった。
 だがやがて、きしりきしりと廊下の方から床が軋む音がマックスの寝息に重なる。
 階段の方から聞えてきたその足音は、マックスの寝息に気がつくと急にピタリと止った。やがて性急な足音は、マックスが眠るリビングに向った。
 カーテン越しに差し込む青白い光に照らされたリビングのソファーに、毛布に包まって少年のようなあどけなさを残した寝顔のマックスが転がっていた。
「何で?」
 足音の主が小さく呟く。
 怪訝そうなその声は、シンシアだった。
「何で、マックスこんなところで寝てるのよ?」
 シンシアは、丁度上が父親の寝室の床であるリビングの天井と蓑虫のようなマックスを見比べるとその表情は途端に不安そうに歪んだ。
 自分のせいで、また二人がケンカしちゃったのかしら・・・。
 動揺してチェストに触れた瞬間、チェストの上の花瓶がゴトリと転がった。
「きゃ!」
 慌てて花瓶を起したシンシアだったが、その音でマックスは目を覚ましてしまう。
「・・・ん・・・? シンシア?」
 シンシアは身体を竦ませて恐る恐る振り返る。
「どうしたの? シンシア」
 眠い目を擦りながらも優しげな声でそう言うマックスがいる。
「起しちゃってごめんなさい・・・」
 小さな声で謝るシンシアに、マックスは緩く首を横に振り、自分の隣に座るようにと手でソファーを叩いた。シンシアは素直にマックスの隣に腰を下ろす。
「喉が渇いたから、何か飲みに行く途中だったの。そしたら、リビングで誰かが寝てるから、びっくりしちゃって」
 マックスは、ぼさぼさの髪を何度もかき上げながら言う。
「そりゃ、こっちの方がごめんなさいだね。驚かせてしまって」
「でも、どうしてマックスこんな寒いところで寝てるの? またパパとケンカしたの?」
 シンシアが不安そうにマックスを見る。マックスはシンシアの頬を優しく撫でながら、今度ははっきりと首を横に振る。
「まさか。そんな訳はないよ。ケンカなんかしてない」
 シンシアはほっとした表情を浮かべた。でも疑問符は未だ残っている。
「じゃ何でこんなところに? パパのベッドで寝ればいいじゃない?」
 マックスは、苦笑いを浮かべた。
「男二人で一緒に寝るにはベッド狭いし」
「何で? パパのベッド、セミダブルよ? ダブルよりは小さいけど、セミダブルにしては大きい方だと思うけど?」
 秒速でそうやり返されて、マックスはぴたりと口を噤む。思わず明後日の方向に視線を走らせるマックスを見て、シンシアはようやく状況を飲み込めたらしい。
「分かった。私のせいね。私がいるからなのね。マックス、私に遠慮してるんだ」
「そんなことないよ」
 マックスはすぐにそう否定したが、シンシアのスカイブルーの瞳はすっかりお見通しの様子だった。
「いいじゃない。恋人同士なんだから。同じベッドで眠る方が自然よ。私が反対しているのならともかく、私はマックスがパパの側にいてくれる方がいいと思っているのよ。それに私だって幸せを感じるの。そう思えるようになるまで、これでも色々考えた。やっと素直にそう思えるようになったの。本当よ。マックスがこの家に来てくれて・・・大きな意味でよ。マックスがこの家に来てくれて、本当に幸せなの。私もパパも」
 マックスは、そういうシンシアがいとうしくて、彼女を抱きしめる。
「そう言ってもらえる俺の方が幸せだよ。こんなこと、本当に想像もしてなかったんだ。ジムはともかく、君にそう言ってもらえる日がくるとは思わなかった」
 シンシアがマックスの顔を下から覗き込む。
「私も自分でびっくりなの。ちょっと前の私なら、絶対にこんなこと思えるはずがなかった。私を変えてくれたのは、マックスあなたよ。そしてパパも変ろうとしている。今日のパパの顔、本当に驚いた。泣いちゃうんじゃないかって思ったわ。あんなパパは初めて。あんなに人間身の溢れるパパは。だからこそマックスは、パパの側にいなくちゃ」
「できればそうしたいんだけど・・・」
 マックスが言いよどむ。
 シンシアは身体を放して、眉間に皺を寄せた。
「なあに? 何か不安があるの?」
 マックスは俯いて「うん・・」と言葉を濁す。
「以前から、一緒に眠ることを拒むようなところがジムはあって・・・」
「え? セックスするのを拒むの?」
「いや、そうじゃなくて!」
 マックスがシンシアの発言にぎょっとした顔をして赤面する。
「つまりその、ただ単に一緒に眠ることが嫌な素振りを見せることがあるんだよ。一緒に朝を迎えることが嫌と言うか・・・」
 シンシアが考え込む。
「今夜もそう言われたの?」
「いや・・・」
「じゃ、そんな態度をみせてたの? 一緒に眠りたくないって雰囲気出してた?」
「いや・・・。今日はそんなことなかったんだけど・・・」
「じゃ、いいんじゃない。パパも何か考えがあってのことよ。今日はいいって言ってるん だから、問題はないんじゃない?」
「うん・・・」
 マックスはガリガリと頭を掻く。
 確かに、ウォレスと初めて一緒に朝を迎えられるチャンスだった。ウォレスの寝顔を見たいのは事実だし、ウォレスの側で朝を迎えることができることは何よりの幸せである。しかし・・・。
「本当の理由は別にあるんでしょ。隠したって駄目よ。いいじゃない。私は平気よ。隣の部屋で父親が恋人とセックスしても」
 寧ろ親の性生活にあっけらかんと開き直っているのはシンシアの方だ。これでは、どちらが年上か分からない。シンシアの方が、ずっと落ち着いているのだ。
「シンシア!」
 マックスは耳まで真っ赤にして、声を荒げる。
「今更なによ。キスするところも見ちゃったんだから。隠すことはないじゃない。そんなにやなの? 私がいることが」 「いや、そういうことじゃなくて・・・」
「じゃ、何? どういうこと? いずれマックスはこの家でパパと一緒に住むのがいいと私は思ってる。パパもそう望んでいると思うわ。そうなったら、マックスはいちいち私のことを気にするの? そんなのだったら、私がこの家を出て行くんだから」
「シンシア?!」
「だから、平気だって言ってるじゃない。セックスしてよ。私だって、ウブじゃないわ。もう18なんだし。セックスがどういうものかも知ってる。愛し合う恋人同士には絶対に必要なことだと思うわ。遊びのセックスじゃないんだもの。素敵なことじゃない。それに、隣に娘がいるっていうシュチュエーション、意外にパパも燃えるかも」
 マックスは、シンシアの発言にすっかり逆上せ上がり、天を仰いで額に冷えた手を置いた。
「シンシア・・・。君には本当に驚かされるよ・・・」


 焼き上がった写真を睨みつけながら、ドースンは編集部の自分の席に戻った。
 当直の記者達は、編集室の片隅をパーテーションで区切った仮眠室で大きなイビキをかいている。
 ドースンは、自分の机のデスクライトをつけると、その下に写真を広げた。
 大きく引き伸ばしたそれは、細かな文字も判読できる程度に現像されている。
 驚くべき内容だった。
 まるで妄想日記である。
 その日記には、今までに発生した二件の爆破事件、それに加え、ジム・ウォレスの娘が車に轢き逃げされた事件のことを連想させる文章や絵が描かれてあった。
 その日記の始まりが、なんと自分がウォレスの存在を始めて記事にした日の翌日・・・つまり記事が上からの圧力でぽしゃったその日から始まっていることが興味深い。
 日記の最初のページには、見覚えのあるウォレスの写真の縮小コピーが貼り付けられている。その写真は、正しくあのボツになった記事に使われていた写真だった。
 なんということだろう。この忌まわしい事件が始まるきっかけを生んだのは、自分が書いた記事だったのだ・・・。
 ドースンは、愕然とした。
 社会に対する新聞記者としての自分の責任を感じると共に、心の奥底でどこか興奮に沸き立つ自分がいることも感じていた。
 写真を持つ手がガタガタと震えていた。
 ドースンの読みは間違っていたのだ。
 街中を震撼させている連続爆破事件は、あのひ弱そうな色白の勤勉な青年が起していたのだ。犯人は、ジェイク・ニールソンではなかった。おそらくニールソンは、マローンに何か手助けをしているという立場なのだろう。マローンを爆弾魔に変身させたのは、間違いなくニールソンだ。だが、実際にそうなろうと思ったのは、マローン自身の意思であり、そのきっかけを作ったのは、自分にほかならなかった。
 本当に、なんということだろう・・・。
 自然と呼吸が荒くなる。頭が空っぽになって、何も考えられない。
 いや、そうでは困る。
 考えろ、ケヴィン。これからお前は、どうすべきなのだ・・・。
「どうしたの? ドースン」
 いきなり背後から女の声がして、ドースンは飛び上がるほど驚いた。
「レイチェル!」
 ドースンはさり気なく写真を机の引出しにしまいながら、振り返った。
 現像したての写真を手にしたレイチェルがそこに立っていた。
「君こそどうしたんだい? 事件か?」
「どうしたもこうしたも。私は今日当直なの。知ってるでしょ?」
「あ、ああ。そうだったね」
「本当にどうしたのよ、ドースン。最近のあなた、変よ。心配だわ」
 レイチェルがドースンの向かいの椅子に腰掛ける。
「デスクの言うことも上の空だし。調べているんでしょ? ジム・ウォレスのこと」
「あ、ああ。まぁね」
 ドースンは肩を竦める。本当の所、ジム・ウォレスのことというより、今は爆弾事件の犯人を掴んだことの方が重要なのだが、それはレイチェルに言うつもりはなかった。
「熱心なのは記者魂の現れでいいとは思うけど。何だか今回は嫌な予感がするの。もうやめた方がいいと私は思うわ。深追いは止めた方が」
 何を言い出すんだ、この女は。
 ドースンは一瞬カッとなった。
 最初にたきつけたのは君の方だったじゃないか。
 そう言い返してやりたかったが、今ここで言い合いをする気分ではなかった。
「今まで、こんなに感じた時は本当に悪いことが起こってきたわ。私の勘はよく当たるって、あんたも知ってるじゃない」
 膝に手を置かれて、ドースンはひとつ溜息をついた。
「・・・そうだな。確かに君のいうことは正しいよ。そろそろ止めにしとくよ・・・」
 ドースンが微笑むと、レイチェルはほっとした表情を浮かべた。


 ギシリとベッドが軋む音に、ウォレスは目を覚ました。
 数回瞬きをして見上げると、何とも幸せそうなマックスの顔があった。
「・・・マックス・・・」
 掠れ声でウォレスがそう呟くと、マックスが微笑んだ。
「やっと念願のあなたの寝顔が拝めました」
 そう言いながら、優しく顎を撫でてくる。
 ウォレスはその指先にキスをしながら訊いた。
「寝顔?」
「今まで、寝顔を見る機会がなかったから」
 マックスにそう言われ、ウォレスはああと思った。
 確かに自分はマックスと共に眠ることを拒んできたのだ。
 今夜こそは、そんなわだかまりも捨てて、ベッドを共にしようと思っていた。
 シンシアと三人で抱き合った時、本当の家族のようになれた気がして、少しずつでもマックスに自分のことを分かってもらおうと思ったからだ。
 だがマックスが下で眠る理由ももっともだし、今更急くこともないと思って、軽く受け流した。そのはずだったが・・・?
「どうしたんだい? マックス。やはり下が寒かった?」
 ウォレスは、マックスの身体が凍えているのかと思って彼の腕を摩った。
「違うんです、ジム。シンシアが・・・」
「シンシアが?」
 マックスはコミカルな笑みを浮かべると、肩を竦めた。
「恋人同士なら、同じベッドで眠るのか自然だって怒られちゃって」
「ええ?」
「さっきここに叩き込まれたんです。きっと彼女、今でもこの部屋のドアを見張ってるかも。俺が出て行かないかと思って」
 そのマックスの台詞に、ウォレスは思わず笑ってしまう。
「あいつ、何考えてるんだ」
「おたくの娘さんは、本当に凄いですよ。肝っ玉が座っていると言うか。親が隣でセックスしてようと平気だって」
 ウォレスは両手で顔を被う。
「・・・う~ん、やはり育て方を間違ったか・・・」
 マックスはハハハと声を出して笑った。
「本当に素敵なお嬢様ですよ、シンシアは。かといって、本当にセックスする訳にはいかないけど、よければベッドに入れてもらえますか?」
「ああ、もちろん」
 ウォレスが身体を寄せてスペースを作り、ブランケットの端を上げる。
「おいで」
 マックスはウォレスのベッドに滑り込んだ。温かい。ウォレスの温かさだと思った。
 軽いキスを交わす。
「これ以上深いキスは止めといた方がいいかな」
 間近でウォレスのミッドナイトブルーの瞳が微笑んでいる。「その方が助かります」とマックスも微笑んで返した。
 ウォレスが、マックスの身体を背中から抱きしめる。
「大丈夫? この体勢は」
 いろんな意味を込めてウォレスがマックスに訊く。
「ええ、平気です」
 マックスは、前に回されたウォレスの腕に手を置いた。
 背中から感じるウォレスの温かさに深い安らぎを感じた。
 本当に愛しい人。
「マックス・・・」
 耳元で、ウォレスが呟く。
「ん・・・? 何ですか?」
「今まで、すまなかった」
 マックスが身体を強張らせる。
「何? 何が・・・?」
「いや。そんなに緊張しないでくれ。確かに、今まで私は君と朝を迎えることを避けてきた。それで君を深く傷つけたことも知っている」
 ウォレスは、いつかマックスが深く酒に酔った時のことを思い出していた。どうやらマックスは覚えていないようだが、あの晩、大泣きしてウォレスにしがみ付いてきた。自分はその時、ただ抱きしめることしかできなかったのだ。彼の気持ちに応えることができなかった。
 だが自分は、少しずつ変りつつあるのだ。
 そうだ、勇気を振り絞って。
 ウォレスは、マックスを抱きしめる腕に力を込める。
「怖かったんだ。君に拒まれるのが」
「え?」
 マックスが身体をウォレスの方に向ける。
「怖い? あなたが? どうして・・・」
 ウォレスは、苦笑いを浮かべる。
「明け方頃になると・・・私は必ずうなされて目が覚める。時には、叫び声を上げることもある。君ももう察していると思うが、私は過去に怖い思いをしていてね。未だにその時の夢を見る。それに怯えて目が覚めるんだ。それを見られるのが怖かった」
「そんな・・・・」
 マックスは言葉を失って、ウォレスの頬に手をやった。
「君を怯えさせることはしたくなかったし、見せたくなかった。それが私の本心なんだ。君の気持ちだけが空回りしている訳じゃない。今夜は、それを知ってほしかった。このことを話すことができてよかった」
 マックスの瞳が、うっすらと潤む。ウォレスは、マックスの目尻を親指の腹で撫でる。
「だから、今夜もひょっとしたら君を起してしまうかもしれない。それでもよかったら、ここで眠ってくれるかい? 私の側で・・・」
「もちろん・・・!」
 マックスはウォレスを抱きしめ、キスをした。
 今日始めて触れるウォレスの弱さがいとうしかった。
 この俺が、ウォレスの中にある恐怖を拭い去ってやらなきゃ・・・。そう思った。
「明日・・・明日の日曜日、予定がなかったら、シンシアと三人でどこかに出かけませんか」
「三人で?」
「ええ。三人で」
 マックスがそう言って微笑むと、ウォレスは安心したように安らかな表情を浮かべた。
「そうだな。それもいいかもしれないな・・・」
 マックスは再びウォレスを抱きしめる。
 もう絶対にこの腕を放さないと思った。

 

Amazing grace act.63 end.

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編集後記

シンシアの爆弾発言が飛び交った今回。いかがだったでしょうか。
いやぁ~、ワールドカップですねぇ。(どんな繋がりよ?)
なんだか最近、一層ホームドラマみたいな感じになってきてますが。なんか国沢もヘンな感じです。よもや娘がここまで関わってくるとは思いませんでした。
本当に行き当たりばったりな作者ですみません(汗)。
ドースンはついに核心にふれて、あんたドーソンの?と下手なシャレに己で鳥肌を立てている国沢です。(そしてそんな自分にピンチを感じているのです・・・)
皆さん、どうかこんな国沢を置いていかないでください。

[国沢]

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