act.46
<side-SHINO>
やはり、営業から外される時がきたのだ。
覚悟は決めていたけど、やはりいざそういうことになると、心は暗く濁った。
一体、どこの部署に飛ばされるんだろう。総務部か・・・はたまた配送部に逆戻りか・・・。
深刻そうに俯いている俺の頭を、課長は扇子で軽く叩いた。
「いて!」
思わず顔を上げた俺を、課長は唇を尖らせて見ていた。
「バカ、落ち込んでるんじゃない。別にお前を営業から外すわけじゃない」
課長はそう言った。
「え? 違うんですか?」
俺がそう返すと、課長は不機嫌そうに「ああ」と頷いた。
「お前が外れるのは、お前が担当していた地方の酒蔵回りだけだ。その代わり、都内のお得意様回りは今まで通りちゃんとしろ。要は、それ以外に新しい仕事が出てきたから、回せる仕事は他に回せと言ってるんだ。まぁ・・・、お前がその仕事をやるかどうか決めてからだが」
課長の口から意外なひと言が溢れ出てきた。
新しい仕事、だって?
俺が怪訝そうに聞き返すと、課長は「俺も半分疑心暗鬼だがな」と呟いた。
「だが今日、社に正式に依頼があった。ある雑誌が日本酒の紹介記事をシリーズで掲載するにあたって、我が社に協力を要請してきた。その仕事を受けるかどうか、お前が決めろ」
「え? 自分が、ですか?」
「そうだ」
「なんで・・・」
つくづく変な話だなと思う。
新しい仕事でもなんでも、平社員個人が受けるかどうかの判断をする仕事なんて、今まで一度もなかったはずだ。
どんな仕事でも、仕事を持ちかけられた者が一旦社に持ち帰り、社内で協議して決める。
うちはそういう会社だった。
── それなのに、なぜ?
理由は、課長がすぐに明かしてくれた。
「相手が、お前を担当に指名してきているからだ。連載記事だと。月に一回、うちで取り扱ってる日本酒の生産者から商品の背景まできちんと紹介する記事企画らしい。お前はその取材班に同行して、生産者と取材者を繋ぐ役目はもちろん、お前自身を誌面に出したいと言ってきている」
「は? 俺が雑誌に載るんですか?」
俺は思わず目を丸くした。
メディア関連の話はあまりいい目にあっていないから、俺みたいな鈍感人間でも思わず警戒してしまう。
「それって・・・、一体どんな雑誌なんです?」
俺の思いは露骨に顔に出ていたらしい。
課長は、「まぁ、お前の気持ちはわからんでもないが・・・」と呟いた後、「俺にとっても意外だが、結構有名できちんとしてる雑誌だ」と答えた。
「キャラバン、だと」
「え?!」
俺は思わず、大きな声を上げた。
俺はあまり読んだことはないが、課長や部長が読んでいるのは見たことがある。
中高年向けの老舗雑誌だ。
その有名な雑誌に広告宣伝を出すのも大変なのに、いわば加寿宮の宣伝記事をタダで載せてくれるような話だ。
「ええと・・・、なんか特別な条件でもあるんですかね? 物凄く長い文章を俺が書かないといけないとか、取材の交渉からこちらでしないといけないとか・・・。まさか、社長が雑誌社に多額のお金を納めたんじゃないでしょうね・・・」
「違う、違う。そんなんじゃない」
課長は、オーバーに両手を横に振った。
「俺も最初はそう思ったんだがな。取材の段取りや取材費はもちろん向こう持ちで、お前が登場する部分もライターさんがお前に取材をして、記事を書いてくれるそうだ。むろん、うちからは広告費用なんぞ一銭も払わない。あくまで、取材協力だし、むしろお前の取材協力費として、我が社に謝礼金が毎回支払われるそうだ」
俺は、しばらくぽかんとしてしまった。
「それって・・・、物凄く好条件の仕事じゃないですか」
「そうだな」
「それなら、すぐにでも受けるべきです。そんな立派な雑誌に我が社の関連記事が掲載されるのは、イメージアップのまたとない機会だ。でもなんでキャラバンの編集者が俺のことを知ってるのかわからないけど・・・」
「例の出版社だからだ」
「例の出版社?」
「そうだ。例の写真週刊誌を出してる出版社と同じなんだ。キャラバンは」
心臓がドキリと脈打った。
俺は視線を宙に泳がせた。
「 ── なんで・・・?」
「俺にも相手の意図がわからん。だが、今日部長とともに相手の編集長とも会ったが、なかなかきちんとしていて、裏があるようには思えなかった。だがまぁ、状況が状況だし、一応お前に判断を任せようと思ってな。どうする? 受けるか?」
俺は、正直戸惑った。
課長は裏がなさそうだということだったが、本当にそうなのか。
でも・・・。
俺は、両手でパンパンと顔を叩いた。
もしなにかの意図があったんだとしても。
これは会社にとって、いいチャンスになる。
大手のメーカーは資金力に物を言わせて大々的に広告を打つが、うちのような小さな会社にはそれが難しい。
ましてやキャラバンの購買層は、日本酒の購買層と最も重なっている雑誌だといえる。
俺は、腹を括った。
「課長。俺、やります。やらせてください」
俺はそう、課長に言った。
雑誌社に正式にオファーを受ける連絡をした翌日から早速、雑誌キャラバンの連載記事の仕事は始まった。
初回は、酒蔵の紹介をいきなり始めるのではなく、一般的にはあまり知られていない日本酒全体の基本的な情報を掲載したいということで、俺は我が社独自で集めた全国の酒蔵の情報や特徴等を資料にまとめて、出版社と打ち合わせをするという段取りとなった。
確かにうちの会社には、全国の酒蔵や地方によっての日本酒の特徴等の情報が集まっては来ていたものの、それをちきんと読める資料としてまとめてはいなかったので、意外にこれが大変な作業となった。
過去の取引資料をひっくり返すことはもちろん、それぞれの営業担当者の頭の中にしか入ってない情報も俺が聞き取りをして資料にまとめる必要があり、通常業務と平行してそれを締め切り日までにこなすのは、なかなか至難の技だった。
確かに、課長が地方出張を他の者に任せろと言ったことの理由が理解できる。
俺は、柿谷酒造を含め、俺の担当していた酒蔵回りを川島に頼んで、しばらくの間は都内のお得意様への受注・納品作業と雑誌取材の資料まとめに専念することとなった。
午後の三時頃までお得意様回り、それが済んだら会社に戻って資料をまとめる作業をし、夜はスーパーに行って手伝いと清掃作業。場合によってはその後千春にお願いしてまた会社に戻り、資料をまとめる続きをする・・・という毎日を続け一週間近く経った頃、その出来事は起こった。
「篠田君、最近、やつれたんじゃないのぉ?」
迫田さんが、そう言って俺の手から納入品の段ボールを奪うように手に取った。
迫田さんは、俺が終業後にスーパーに顔を出すようになってからというもの、気を使って遅番の出にシフトチェンジをしてくれるようになっていた。
「凄く疲れた顔してる。最近、忙しいんでしょ? それなのに余所の会社の納入手伝いまで、しなくったっていいんだからぁ」
彼女はそう言うと、新人のバイト君に指示を出して、「ほら、そこのも早くバックヤードに運んじゃって! 篠田君が手をつける前に!」と大きな声を上げた。
俺は、慣れない作業にもたついている新人君の作業を手伝いながら、「いえ、自分で決めたことですから」と迫田さんに言った。
迫田さんは呆れたように溜め息を吐くと、
「うちの店長も大概頑固だけど、篠田君も相当のものねぇ」
と言って、苦笑いを浮かべた。
「アタシ達からも店長に言ってはいるんだけどね。店長、本当に頑固で意固地になってるのよ。アタシ達も考え直してくれって言ってるんだけどさ。ごめんね、パートだと立場弱くて」
「そんな! すみません、かえって気を使わせてしまって・・・」
俺が謝ると、迫田さんは、「謝るのはこっちの方よ。これだけ一生懸命にやってくれてるっていうのにねぇ。あの人、現場のことあんまり見ないからさ」と顔を顰めた。
と、その時、迫田さんが別のパートさんに呼ばれた。
「迫田さん大変、大変! ちょっとこっち来て!」
「えぇ? アタシ、この荷物、バックヤードに運ばないといけないだけど。今じゃないとダメぇ?」
「今じゃないとダメダメ! なんか本部のお偉いさんが来てるんだって! 探り入れられるの迫田さんしかいないから~」
「えぇ? 困ったわねぇ」
「迫田さん、行ってきてください。ここは自分が彼とやっておきますから。自分なら、バックヤードの整理の仕方はわかってます」
迫田さんは一瞬迷った表情を浮かべたが、確かに新人さん一人でこの荷物の整理は無理だ。
「そう? じゃお言葉に甘えちゃおかしら。すぐ戻ってくるから、ちょっとの間だけ」
「いいですよ。任せてください」
「ごめんね」
迫田さんは、同僚のパートさんと連れ立って事務所の方に消えて行った。
俺は、新人君に倉庫の整理の仕方を簡単に説明しながら、荷物を運ぶ作業を続けた。
途中、いつもなら何の問題もなく運び上げられる段ボール箱が上の棚に一人では上げられなくて、やはり迫田さんが言うように自分は疲れているんだと実感した。
── ああ、腕力だけが得意の俺としたことが・・・。
日頃の肉体労働に加え、珍しく頭を使う仕事もしてるから、脳みそは異様に覚醒しているのに、身体は酷く疲れてしまっている。
さすがに俺も年齢が体力面に出てきたのかなぁ・・・なんて思っていたら、迫田さんが戻ってきた。というよりは、駆けつけてきた。
「篠田君、大変、大変!!」
まるでさっき迫田さんが呼ばれた時のように、今度は迫田さんが俺を呼びにきた。
「どうしたんですか?」
俺は、最後の段ボール箱を棚に載せ終えたところだった。
「あなた、知ってた?!」
突然そう訊かれ、面食らう。
「え? 何をですか?」
俺が聞き直すと、迫田さんは「あら、そうよね。何があったか言わなきゃ、返事しようがないわよね」と言った後、いつものように豪快に笑い始めた。
「それがさっき、本部のお偉い方が店長室に来ててさ、いろいろ話し込んでた訳。それがさ、うちのチェーン店全店で、おたくの社員さんが篠田君みたいに駐車場の掃除やバックヤードの手伝いをしてるって話らしいのよ。全店よ、全店!」
「え?!」
俺は思わず大きな声を上げた。
なんだよ、それ。
俺、全然知らないぞ、そんなこと。
「ほ、本当ですか? 僕は全くそんなこと、知らないんですけど・・・」
「本当よ! さっき別の支店に配置転換になった社員さんに電話して確認したのよ! いろんな社員さんが日によって代わる代わる手伝いに来てるんだって。営業さんだけじゃなく、事務職の人達も来てるんだってよ!」
そう言えば、ここのところ残業なしで早く退社する人が多くいるのは事実で・・・。
そこまで考えて、俺はハッとする。
いつかの西宮の表情が、ぱっと浮かんだ。
何かを俺に隠してそうな、そんな顔つき。
── まさか、このことだったのか?
いつも30分か1時間程度残業していく田中さんが、このところそそくさを帰っていたのは、このためだったのか?
俺が心当たりがあるといった表情を浮かべたのを見て、迫田さんは洟を啜りながら、「アンタ、他の社員の皆に愛されてんのねぇ!」と俺の背中を叩いた。
「まさか・・・そんな・・・皆が・・・」
俺が呆然とした表情で呟くと、迫田さんはまた俺の背中を叩いた。
「篠田君の会社は、本当にいい会社だね。アタシ、感心しちゃったよ。気持ちがいいじゃないか。アタシ達も頑張って、店長にもっと直談判するわよ。アタシ達だって、そんな会社の人と一緒に仕事したいもの」
「迫田さん・・・」
なんだか、疲れと嬉しさが混ぜこぜになって、鼻の奥がツンとした。
その時だ。
迫田さんの後ろから、「もう直談判はしなくてもいい」という声がしたのは。
「店長!」
店長さんだった。
彼はバツの悪そうな表情で俺を見ていたが、やがて俺と同様、気の抜けた顔つきになった。
「君だけならまだしも、まさか社員あげてうちの駐車場の掃除に来るとはな。うちの社長が、余所の会社の人達に掃除をしてもらわんといかんほど、我が社の駐車場は汚れてるのか、恥ずかしいと言ったそうだ。ま、確かにその通りだな。だから、明日からはうちの社員できちんと駐車場は掃除を徹底するから、もう君はせんでいい」
「え・・・・。あ、はい。でも、あの・・・」
「別にもう来るなと言ってるわけじゃない。次からは、注文を取りに来てくださいと言ってるんですよ」
「ほ、本当ですか?!」
「こんなこと嘘を言ったって仕方なかろう」
渋い顔で腕組みする店長さんを迫田さんはさっき俺にしたように、店長さんの背中を叩いた。
「店長も、素直に認めたらいいじゃないのぉ。感心したって!」
「なっ! 俺は別にそんなっ! とにかく、来週から前のように注文を取りに来てくれたまえ。いいね」
「はい! ありがとうございました!」
俺が頭を下げるのを見届けて、店長さんは去って行った。
迫田さんは、「男はあの年になると素直に謝ることもできなくなるのよ。ごめんねぇ」と言った。
俺は、「いえ」と頭を振った拍子に身体の力が抜けて、その場にへたりと座り込んだのだった。
<side-CHIHARU>
その日は、いつもとは違ってシノさんが早くスーパーから出て来たので、何かあったことはすぐにわかった。
出て来たシノさんの顔が力の抜けた疲れた表情をしていたので、疲労で倒れたんじゃないかと始めは思った。
「シノさん、どうしたの?」
車の外で出迎えた僕が心配顔でそう訊くと、シノさんは僕の顔を見るなり顔をくしゃりとして、抱きついて来た。
「え? なに? ホントどうしたの?」
日頃外ではあまりそういうことはしないシノさんだったから、シノさんを抱きとめながらも僕はビックリした。
「気分悪い? 大丈夫?」
僕がシノさんの顔を覗き込むと、シノさんはグスッと鼻を鳴らした。
「また・・・注文してくれるって・・・」
「え?」
「また、前みたいに注文してくれるって」
「本当?! よかった!!」
僕は思わずシノさんの両肩を掴んで、揺さぶった。
「シノさんの思いが、やっと伝わったんだね!」
シノさんは泣いてなかったけど、今にも泣きそうな顔つきをしていた。
「うん・・・。うん、そうなんだけど・・・。皆が・・・」
「皆?」
「ああ、会社の皆が、全支店で俺がしてるみたいなことしてくれてたんだ。それが社長前伝わって、取引再開につながった・・・」
ああ・・・! それでシノさん、泣きそうになってるのか・・・。
そういう僕も、なんかちょっと泣きそうになった。
「本当に、よかったですね」
「ああ」
そう言って唇を噛み締めるシノさんが、誇らしかった。
この人、本当に会社の人達に愛されてるんだなぁと痛感させられた。
というか、きっと何にでもこんなに一生懸命なシノさん見てたら、誰だってそうなるよ、きっと。
シノさんという存在が、そうさせるんだ。
「随分疲れた顔してる。早く、車、乗って。家に帰りましょう」
助手席のドアを開けてシノさんを車に載せると、僕も乗り込んだ。
「おむすび、どうする? 今、食べる?」
そう訊きながらシノさんを見ると、シノさんはほぅっと長い溜め息をついて、ようやく安心した表情を浮かべた。
その途端。
突然彼は身体を起こすと、持っていたカバンを膝の上に置いて、前屈みになった。
「? シノさん、どうしたの? 気分悪い?」
僕はシノさんが吐くんじゃないかと、一瞬身構えた。
ところがシノさんは顔を耳まで真っ赤にして、「だ、大丈夫、大丈夫だから」と焦った声でそう返して来た。
全然、大丈夫そうには見えないけど。
「カバン抱えてたら、苦しいだけでしょ。カバン、後ろに置いたら?」
僕がそう言うと、シノさんは「いい! いいから!」と頑に拒絶してくる。
明らかにおかしい。
いつもはすぐ、カバンは後ろの席に置くのに。
── この人、何を猛烈にテレているんだ?
そう思ったら、ピンときた。
「シノさん、ひょっとして・・・勃ってるんじゃない?」
「え?!」
シノさんが、僕を見る。
その表情を見たら一発で図星だってわかった。
所謂、『疲れマラ』ってやつだ。
「勃ってるでしょ」
僕が無理矢理、カバンと身体の間に手を突っ込むと、確かにシノさんのアソコは硬くなっていた。
「ちょっ! ち、千春!」
シノさん、相当疲れてたんだね・・・。いじらしい。
疲れマラは、徹夜仕事などクタクタになるまで身体が疲れている時に、勝手に勃起してしまう現象だ。
僕にも経験があるけど、僕の場合は徹夜で遊びまくった後にこうなった経験があるから、僕の場合のは相当不純だ。
でもシノさんのは、本気で仕事を頑張った証拠。
「はっ、恥ずかしい・・・!」
蚊の鳴くような声でそういうシノさんが、微笑ましい。
「恥ずかしく何かないよ。身体がそうなるまで頑張った証拠じゃない。大丈夫? 収まりそう?」
シノさんは、顔を真っ赤にしたまま、首を横に振る。
そう。疲れマラは困ったもので、なかなか収まらないんだよね・・・。
家に帰って抜いてあげるのがいいかなとも思ったけど。
そんなシノさんにムラムラと来てしまった僕もいることだし。
僕は車の中から辺りを見回して、適当な場所に目星を付けると、車のエンジンをかけたのだった。
here comes the sun act.46 end.
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編集後記
しばらくぶりの更新です。
随分、ご無沙汰してしまいました・・・(大汗)。
まだまだ年度末関連の仕事は残っているのですが、通常通りのお休みが取れるようになってきました。
お待たせをばいたしまして、申し訳ありません・・・!
ということで、久しぶりの更新は、感動的な流れからいきなり下ねたで終わるっていう・・・(脂汗)。
いやはや、下品な流れで、ごめ~んね!
なんか、エロを書きたい気分になったんですよ。ええ。
国沢も疲れマラですな。 ── 実際にはついてないけど。
でも、今日上げた分まで書いたら、事切れてしまって、エロに至らず(汗)。
次回は、頑張って大人シーンを書き上げたいです!!!
とはいっても、次週は、毎年恒例の及●光●ワンマンショー参加予定で、完全にお休み決定。 ── 重ね重ね、申し訳ありません・・・。
でも、やめられないのよね~。ベイベー業は!
では、また。
[国沢]
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